古本
古本
古本
Arrow
Arrow

古本専門店の価格

古本屋の古書目録の価格も、相場を形成する一つの目安です。 とくに専門店の目録はその分野のプロが値付けをするので、価格に安定性があります。古本専門店の目録は何年にもわたって、ほぼ同じような価格で出ている可能性が高いといえます。リピーターを相手に商売をしている ので、版元で品切れになったり新版が出たろといった理由もないのに価格が大きく変動すると、信頼が失われてしまうからです。 千円だった本が突然3万円になったりすれば、その古本屋の目利きも疑われてしまいます。また古本の専門店では、内容の価値に応じた値付けが期待されます。 去年十万円で お客様が買った本が同じ古本屋で一万円で出ていたら、お客様は怒ってしまいます。 古本屋は、リピーターを相手に信用を得てこそ成り立つビジネスです。将来値上がりしそうな古本は、あら かじめ予測できなければなりません。また、古本の価格の値崩れしそうなものについては、買い支えてでも価格を維持する必要があります。古本は相場が上がっているものが以前の安い値のままで据え置きにされている可能性もあります。同様に、すでに相場が下がっている古本が以前の高値のまま、おいてあることもあります。

仕入れこそが一番大切

 買った本が確実に売れるかどうかという目利きが大切です。セドリのベテランは、長年のキャリアで非常に鼻が利きます。古本は目で買うのではありません。古本は、匂いで買うのです。

 自宅でも倉庫でも、小さな店でも、古本屋だけを仕入れ先にしていたのでは長く続けることができません。お客さんからならもっと安く買えるのです。

 粗利益率という考え方を常時頭の中に入れておく必要があるでしょう。少し前なら、売値の三割が原価でしたが、現在ではもっとその値は下がっていると考えるべきでしょう。薬九層倍と言ったりもしますが、時には古本は十倍以上の価値を持つときもあります。なかには、ただ同然で引き取るものもあります。

「買一番、売り二番」

 これは、ある老舗古書店の社訓です。

 仕入れが商人にとって一番であるということです。利は元にありと江戸時代から伝えられています。売ることばかりを考えても、仕入れをおろそかにすれば古本屋を維持することはできません。

 もしも、あなたが今後店舗を継続するとき、在庫の補充は十分にできるでしょうか。

 どこから買うのでしょう? そのルートはあるのでしょうか?

 戦後、多くの古本屋が現れましたが、すべて仕入れを考えなかったために、手元の本を売り切ってしまったら、そこで店をたたまざるを得なくなりました。本がなければ何もできなせん。この商売で大事なことは、いかに買いを行うのか、ということなのです。

 

セドリと古書流通の変化

商売をする場合、小売店にとってはどのように販売するかが大きな課題です。 しかし古書店は、一般の小売店とは違って、売ることよりもむしろ、何をどうやっていくらで仕入れるのかといったことが最も重要な課題になります。

製造業者が作ったものを卸売業者が流通させる普通の商品では、店頭価格に差があるとしてもせいぜい一割から二割の範囲です。出どころが同じなので、値切るにしても交渉できる範囲には限りがあります。ところが古書など古物の場合、店によって何倍も違う値段で販売されていることも珍しくありません。その理由は、古書の流通経路が複雑で、必ずしも古書市場などを経由して販売されているものばかりではないからです。

そうはいっても、かつては古書の価格設定の仕組みがある程度、きちんと機能していました。それが昨今では、新古書店と「Amazon マーケットプレイス」をはじめとするネット販売の価格差を利用したセドリによって、古書流通の仕組み自体が、大きく変化してしまいました。 古書の世界は広大な海のようなものです。そのため、どんな古書居であっても、うっかりその価値を見落として、相場以下の安い値を付けてしまうケースがたまにあります。とくに新古書店の場合は、「一般書の専門店」なのでちょっと変わった本やプレミアがつくような特殊な本が、驚くほど安い値で並べられていることも珍しくありません。

ここで在意すべきなのは、相場よりもはるかに低い値で底頭に出ているそうした本は、基本的にその店が得意とする品目以外のものがほとんどだということです。積極的に仕入れたものではなくて、たまたまほかの本にまじって買い取ってしまった類いの本にすぎないわけです。ですから、大量にある可能性は、あまり期待できません。 セドリはいわば落ち穂拾いのようなものです。月に五万円から十万円程度の収入は見込めるでし ょうが、それを本業にするのはちょっとしんどいと思います。

そもそも企業であれば、採算がとれ ないものとして切り捨ててしまうような部分です。十分にもうかるなら、店自身が従業員にグセド リ的なスクリーニンググをさせるはずです。それをしないのは、人件費に見合うだけの利益にはつ ながらないと店が判断しているからです。

古本屋のこれから

まず、考えられるのは、電子書籍の時代が来るということです。新刊書店の立場としては、新刊が紙版ではなく電子版で書籍を買うとう行為が相当な脅威になるかもしれません。しかし、その点に関しては、古本屋には少し猶予があります。古本屋が扱う本は全て出版されてから時間が経過しているものです。これらは新しく出る本に比べると、ある程度普及しているので、短い期間での売り上げの効果は望めません。また、在庫が残っているにもかかわらず、電子版を出せば、在庫の処理が大変になります。電子版を出すといってもある程度コストがかかるので、簡単に電子版を出すわけにはいかないでしょう。その中で絶版や品切れになっている本は商業用として見切りがつかれているものなので、電子化をしても採算がとれないでしょう。そうした状況で古本屋にとって恐ろしいことは、図書館などによって大半が品切れになっている本が電子化されてしまうことです。絶版本が電子化される時代はそう遠くはありませんが、それがいつなのか誰も予測ができません。

古本の買取り

市場に出ている古本は、大半が「安いもの」か「売りにくいもの」だと思うべきです。 もちろん、なかには魅力的な古本もあることはあります。けれど珍奇な古本であれば、売るほうにも 技術が必要です。自分が普段あまり扱ったことがない分野の古本を、売るのは簡単ではありま せん。 市場に来る古本屋のなかには、お客様からの買い取りが常に過剰になっていて、古本店で販売を試みることなくいきなり市場に出すようなケースもみられます。そうした、お客様から直接買い取った ばかりの品物を、市場では「ウブ荷」と呼びます。

古本ビジネス

最近では、WEB上のネットオークションなどを利用して、手持ちの本を売ってお金を稼いでいる人が沢山います。そうしたなかには、いわゆる掘り出し物を転売してかせぐ人も多くいます。 また、フリーマーケットやバザーなどで本を持ち寄って売るスタイルもはやっています。

こうした人とプロの古本屋とは、いったい何が違うのでしょうか。 プロの古本買取はある程 度の経営規模をもっていて、在庫があり、屋号などがあるとい うのが条件でしょう。 中でも最も重要なことは、在庫をもっているという点です。古本屋のビジネスは仕入れたものをとにかく最速で売り抜けることが重要で、いっさい在庫をもたないという方針は、たんなる「転売」であって、本当の古本ビジネスではありません。最近では、ネット上だけの店舗を持たない古本屋も増えているようです。